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委員会資料

第74回JPドメイン名諮問委員会議事録

株式会社日本レジストリサービス  第74回JPドメイン名諮問委員会  議事録

1. 日    時: 2023年7月20日(木) 11:00~11:56

2. 場    所: 株式会社日本レジストリサービス 東京本社 会議室
              東京都千代田区西神田3-8-1 千代田ファーストビル東館12F

3. 出 席 者: 浦川伸一   委員長
              金子宏直   副委員長
              大津康治   委員
              金井俊夫   委員
              曽根秀昭   委員
              西潟暢央   委員

4. 同 席 者: 堀田博文  (JPRS 取締役)
              小口信    (JPRS 事務局)
              松丸真紀子(JPRS 事務局)
              米田文彦  (JPRS 事務局)

5. 次    第:

   1. 開会
   2. 議題
      (1) 第12期JPドメイン名諮問委員会 委員長及び副委員長の選任
      (2) 答申「第12期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について」
          (JPRS-ADVRPT-2022001)への対応について
      (3) JPドメイン名の概要とJPRSの直近の取り組み
      (4) その他
   3. 閉会

6. 資    料:

    資料1       第12期JPドメイン名諮問委員会委員一覧
    資料2       JPドメイン名諮問委員会の答申 JPRS-ADVRPT-2022001への対応
                及びJPドメイン名諮問委員会 第12期委員の任命
    資料3       JPドメイン名の概要とJPRSの直近の取り組み
    参考資料1   JPドメイン名諮問委員会規則
    参考資料2   諮問書「第12期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法につい
                て」(JPRS-ADV-2022001)
    参考資料3   答申書「第12期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法につい
                て」(JPRS-ADVRPT-2022001)
    参考資料4   JPドメイン名諮問委員会 第12期委員推薦書

7.議    事:(◎は委員長、○は委員、●はJPRS取締役及び事務局)
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<開  会>


《出席状況の報告》


●出席状況の報告の前に第12期委員の選任の経緯について事務局から報告する。


●議題(1)の委員長・副委員長選任に先立ち、第12期委員の選任の経緯について、
事務局より報告する。

2022年12月22日に「第12期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について」の
諮問書が本委員会に提出され、2023年1月6日に7つの団体・分野から各1名を選任
するとの答申が行われた。そして2023年2月15日に当該答申に基づく第12期委員
推薦書を諮問委員会よりJPRSに提示した。

これを受け、JPRSは、2023年3月8日に取締役会を開催し、第12期委員推薦書に基
づき、第12期委員7名の任命を決議した。その後、7名の委員の皆さまとの就任手
続きが完了し、本日、第12期委員会の第1回目として、「第74回JPドメイン名諮
問委員会」の開催に至っている。


●本日の委員会には、曽根秀昭委員、金井俊夫委員、大津康治委員、
浦川伸一委員、金子宏直委員、西潟暢央委員、以上6名の出席をいただいている。
従って、JPドメイン名諮問委員会規則第13条に規定されている、開催に必要な
定足数の「委員の過半数」を満たしていることを報告する。

なお、長田三紀委員からは本日欠席の連絡をいただいている。

本日、JPRSからは、堀田博文、小口信、松丸真紀子、米田文彦が同席する。


<議題(1) 第12期JPドメイン名諮問委員会 委員長及び副委員長の選任>


●委員長及び副委員長の選任に先立ち、委員の皆さまに自己紹介をいただきたい。
はじめに、JPRS取締役の堀田よりご挨拶申し上げたのちに各委員の発言をお願い
する。


[JPRS取締役 堀田よりご挨拶]


[委員各位による自己紹介]


●それでは、議題である「第12期JPドメイン名諮問委員会 委員長および副委員
長の選任」をお願いしたい。諮問委員会規則第7条に従い、委員長、副委員長に
ついては、委員各位の互選となっており、本日ご欠席の長田委員からは「委員
長・副委員長の選任については、出席の委員の皆さまに一任させていただきた
い」と言付かっている。委員の皆さまの意見をいただきたい。いかがか。


○委員長は浦川委員にお願いしたい。


●浦川委員という意見が出たが、他の委員からのご意見はいかがか。


○異議なし


●委員長を浦川委員にてお引き受けいただけるか。


○了承した。


●副委員長の選任も、委員の皆さまのご意見をいただきたい。


○副委員長は金子委員にお願いしたい。


●他の委員からのご意見はいかがか。


○異議なし


●他のご意見は無いようである。副委員長を金子委員にてお引き受けいただける
か。


○了承した。


●それでは、委員長、副委員長が選任されたので、ここからは議事の進行を
浦川委員長にお願いしたい。


<議題(2) 答申「第12期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について」
  (JPRS-ADVRPT-2022001)への対応について>


◎「第12期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について」への対応について
は、委員会の冒頭で、事務局より経緯を報告いただいたので、ここでの報告は割
愛させていただく。


<議題(3) JPドメイン名の概要とJPRSの直近の取り組み>


◎「JPドメイン名の概要とJPRSの直近の取り組み」について、JPRSより説明いた
だきたい。


[JPRSより資料について説明]
 - 資料3    JPドメイン名の概要とJPRSの直近の取り組み


○資料3のスライド24に記載の、Mルートサーバー運用拠点の拡大について、拡大
の対象とする地域は、例えば、アクセスが多い国など、何かの優先順位を軸に拡
大しているのか。


●ルートサーバーは、世界中に約1,500台存在しており、それらを12の組織で互
いに相談しながら展開・運用を行っている。JPRSは、WIDEプロジェクトと共同で
アジアを中心にMルートサーバーの拠点展開を行っているが、その理由は、我々
がアジアの事情を良く理解しているためである。また、優先順位としては、人口
やアクセスが多い地域でサーバーを増強し、レスポンスタイムを短縮すること、
ユニバーサルアクセスに近い考え方で、「アンダーサーブドエリア」と呼ばれる、
十分なサービスを受けられていない地域にサーバーを設置することの2点が挙げ
られる。今後の展開先の候補は20-30箇所ほどあり、順番に進めているという状
況である。


<(4) その他>


◎本日、予定に挙がっている議題は以上となるが、その他何かあれば、この場で
ご意見いただければと思うが、いかがか。


○異議なし


◎それでは、私から1点、直接ドメイン名に関連するかどうかは分かりかねるが、
この場でお話させていただきたい。この半年余りのインターネット環境の動向を
見ていると、いくつか大きなトレンドが出ていると実感している。代表例として
は、生成系AIだと思っている。生成系AIとインターネットとの関係をあまり気に
しない人もいるが、大規模言語モデル(LLM)は、インターネット環境にアップ
されている情報を、巨大なコンピューティングリソースを使ってサーチを繰り返
し、事前学習した上で言語モデルを作っている。インターネット環境におけるポ
イントとして、例えばインターネットアクセスを網羅的に行うため、一定の負荷
がかかっているのではないか、と気になっている。もう一点は、トラストなデー
タか否か問わず、データを収集して言語モデルを作っているため、すでに内閣官
房や総務省が進めている「Trusted Web」、つまりインターネット上の情報のトラ
ストの重要性が、生成系AIの急激な普及により、今後よい意味で注目されると推
測するが、現時点でドメイン名に影響があるかどうかは、判断はつかない。ただ、
資料3のようなレイヤー構造で見たときに、以前はセキュアということでHTTPSが
導入されたが、レイヤーの違う世界でこのトラストをどのように担保していくか
議論がインターネット技術の中で並行して進んでいる。インターネット技術の進
展について、継続的にウォッチしておいた方がよいと考えさせられる事象が、今
年は特に多かったと思っている。


●ドメイン名をビジネスにしている人たち、特に当社のように国を表すドメイン
名をある意味預かり、運用している者はTLDがどんどん増えている中で、どう差
異化していくかということを考えている。私がいつも外部に説明しているのは、
JPドメイン名は日本に対してしか売っていないということで、それは、トラスト
のためにある部分、ビジネスを切り捨ててでもトラストを守るべきだという背景
がある。例えば日本に住所があり、郵便が届くということだけでも、登録者が実
在するという信頼感がある。また、CO.JPドメイン名も、登録者である企業が法
務局に登録されている必要があり、そのチェックもしている。そういう意味では、
ドメイン名に対する信頼が膨らめば、そのドメイン名が指すウェブサイトの中の
情報に対するトラストも増すはずだ、とも考えられる。ドメイン名はあくまでア
クセス手段だから、とは言いつつも、コンテンツに対する信頼にも何らかのプラ
スの要素を与えると思っているため、本委員会でも、ここを譲るとJPドメイン名
の信頼性が落ちてしまう、といったところは議論いただければと思う。


○先ほど浦川委員長から総務省の取組にも触れていただいたので私からもコメン
トしたい。私自身は、生成系AIについて、総務省のデータ通信課長としての他、
OECDでAI関係の作業部会の副議長もしているため、インターネットとAIの両方を
担当している役人という稀有な立場から意見を申し上げたい。生成系AIがイン
ターネット上の情報を使って学習していることは事実だが、委員長から指摘が
あったインターネット上の情報が正しいかどうかという点については、誤った
情報が入っていようがいまいが今の生成系AIはそれに関係なく私たちの問に対す
る答えを出せるところまで進化している。例えば、インターネット上の嘘の情報
のせいで生成系AIが狂うということはないと理解している。他方でもう少し上位
の概念、例えば元々のデータにある男女の違いによって、「社長」の写真を検索
すると、西洋系の白人男性しか例が出て来ないなど、事実はそうなのかもしれな
いが、AIが生成する回答として本当にそれで良いのか、といった議論はなされて
いる。そういった意味では、インターネットの中にはいろいろなものがたくさん
あり、日本政府の立場である民主主義的な価値観を重視するという観点では、
言葉を選ばずにいうと、汚いものも含まれるインターネットも一つのインター
ネットの一部、となる。その中で、Trusted Webをその中にどのように織り込ん
でいくのか。JPRSがビジネスをしているドメイン名と、それとは異なるレイヤー
とが噛み合うようになると上手くいくのではないか。もう一点、ICANNの政府諮
問委員会の場で海外の人間と議論すると、日本のインターネットは世界的に評価
が高いことが分かる。特にインターネット発祥の国でありながらインターネット
の運営が必ずしも上手くいっていない米国からの評価が高い。私は、その差は
JPドメイン名の存在だと思う。アメリカの場合、今は.usのドメイン名があるが、
これは後発である。JPドメイン名に最初から慣れている我々は、スマートフォン
を使用すると見えない場合もあるが、.comや.jpではない見慣れないTLDがURLに
付いていると違和感を覚えるくらいのリテラシーは多くの人に備わっていると
思う。地政学的にもいろいろなことが起きている中で、ここまでの30-40年の
歩みを経た日本ならではの良いインターネットは、これからこそ堂々と世界に
発信していくべきものだと思うし、我々も、新しい課題に対しては継続して対応
をしていかなければならない。今後も、JPRSには、日本ならではの良いインター
ネットの維持発展をお願いしなければならないと思うし、そういった議論をこれ
からもこの諮問委員会の場でできればと思う。


◎一点補足すると、この30年余りのインターネット技術の進展を見るに、圧倒的
にデファクトスタンダードで進んでいくことが多かったと実感している。マー
ケットで勝った企業が標準を握っていくような競争原理優先できたことが、いろ
いろな歪みを生んできたことも事実である。私見ではあるが、AI等の今後の進展
を考えたときに、ガバメントかそれに準ずるような形で、良い意味でのテクノロ
ジーに対するガバナンス体制がこれから注目を浴び、バランスが保たれていくと、
健全な技術の進展が人間の幸福にも繋がっていくと思っている。


《今後の予定について》


◎第74回JPドメイン名諮問委員会の議事は終了とする。次回委員会の具体的な日
程については、また後日、事務局より調整させていただく。


<閉  会>

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